関節リウマチのくすり | 海老名市中新田の石坂整形外科クリニック

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院長の豆知識
2018年05月25日
関節リウマチのくすり

指導/川合眞一
東邦大学医療センター大森病院 膠原病科教授

▼処方される主な薬剤の種類

 

関節リウマチは、免疫異常による慢性の関節炎が主な症状です。そのため、炎症を直接抑えるくすり(非ステロイド抗炎症薬とステロイド)と、免疫異常も改善する抗リウマチ薬が使われます。最近、強力な抗リウマチ薬が次々と登場してきましたが、中でもメトトレキサートなど一部の免疫抑制薬や、インフリキシマブ(点滴)やエタネルセプト(皮下注射)といった生物学的製剤は、この病気の特徴である関節が壊れる症状を抑える効果が証明されています。

▼服薬上の注意点、副作用

 

非ステロイド抗炎症薬の副作用は、消化管障害、腎障害、出血傾向などが有名でしたが、心筋梗塞などの心血管障害もあるようです。一部の新しいくすりには、消化管障害を減らすことが期待されています。ステロイドは、感染症、骨粗鬆症、心筋梗塞や脳梗塞、消化管障害、糖尿病などの副作用が知られています。いずれも、なるべく少量を短期間使うことが原則ですが、症状によっては続けざるを得ない場合もあります。一方、抗リウマチ薬の副作用はくすりによってかなり違います。一般に、飲みぐすりの抗リウマチ薬には肝・腎・肺・骨髄など臓器障害の副作用が出ることがあります。逆に生物学的製剤では、結核の再発などを含めたいろいろな感染症には、特に注意が必要です。

 

薬 剤 主な副作用(症状)
非ステロイド 消化管障害、腎障害、出血傾向や心筋梗塞などの心血管障害
ステロイド 感染症、骨粗鬆症、心筋梗塞や脳梗塞、消化管障害、糖尿病
抗リウマチ薬 くすりにより症状が違うが、肝・腎・肺・骨髄などの障害
生物学的製剤 結核などのさまざまな感染症

 

▼日常生活での指導

 

くすりによって使い方に特徴があり、例えばメトトレキサートは週1~2日だけ飲むくすりですので、毎日飲むと非常に危険です。その他、食前や食間に飲むくすり、夕方飲むくすりなどもありますので、それぞれの指示を守って下さい。免疫を抑える抗リウマチ薬では、感染症に注意を要します。生ワクチンは禁止ですが、インフルエンザなどの不活化ワクチンの予防接種は積極的に受けてください。