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圧迫骨折
骨粗しょう症の方が転倒したり重たいものを持った時に起こすことが多いです。しかし骨粗しょう症が進行すると気づかないうちに骨折をすることもあります。痛みのために動くことが困難になり、高齢の方では寝たきりの原因になります。
多くの場合は手術をしないで治療を行います。コルセットやギプス固定を行い、安静にします。ただし高齢の方の場合は寝たきり予防のため、痛みに応じて動いていくことが重要です。低侵襲に骨折部へセメントを注入する手術(BKP)や骨折部を安定させる椎体固定術などが行われることもあります。
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腰椎椎間板ヘルニア
腰や臀部が痛み、下肢にしびれや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなります。
背骨が横に曲がり(疼痛性側弯)、動きにくくなり、重いものをもったりすると痛みがつよくなることがあります。
痛みが強い時期には、安静を心がけ、コルセットをつけたりします。また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロック(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する)を行い、痛みをやわらげます。近年神経痛などに効果の高い薬も登場しており、投薬のみで痛みをコントロールできることも増えてきております。腰を温めるのも良いでしょう。痛みが軽くなれば、牽引を行ったり運動療法を行うこともあります。
これらの方法でよくならず仕事や日常生活に支障をきたす場合や下肢の脱力、排尿障害があるときには手術をお勧めすることがあります。最近では内視鏡を使った低侵襲手術も広く行われるようになってきました。
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腰部脊柱管狭窄症
60歳以上の男性や腰椎すべり症のある人でよくみられます。もっとも特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行(かんけつせいはこう)です。
腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありません。少ない距離なら歩けるのですが、立ったり・歩いたりしているとお尻や太ももの部分が痛くなって、歩けなくなります。けれども、少ししゃがんで休めば楽になって、また歩けます。(間歇性跛行)
進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事もあります。
手術ではない治療としてはリハビリテーション、コルセット、神経ブロックや脊髄の神経の血行を良くする薬、神経痛を抑える薬などがあります。しかし、歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合には手術を行うこともあります。最近は内視鏡を使った低侵襲手術も行われています。
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ぎっくり腰
重たいものをもったり腰をひねったりして急性の腰痛が出た状態を言います。圧迫骨折やヘルニアが原因であることもありますが、多くの場合画像上の異常は認めません。大きな異常がないときは必要以上に安静にせず、痛みに応じて動いていくことが重要です。
コルセットを使ったり痛み止めの薬の内服、外用、トリガーポイント注射、ブロック注射などを行います。またリハビリテーションを行うこともあります。エコー下に行うハイドロリリースという新しい治療が効果を発揮することがあります。