指導/近藤啓文
北里大学医学部内科診療教授
・間接リウマチとは・・・
関節炎(関節の痛みと、はれ)が左右対称に多発し、慢性的に持続する病気です。はじめは「全身のだるさ」や、特に朝「手足のこわばり」を感じたりします。関節炎がひどくなると、関節が変形して運動機能が低下してしまい、からだを自由に動かせなくなることがあります。また、関節以外に皮膚、眼、肺、心臓に病気が起こることもあります。原因は不明で、主に中年の女性に起こりやすい病気です。
▼関節リウマチのくすり
くすりの種類は、関節の痛み・こわばりを取ることができる抗炎症薬と、リウマチの進行を止める抗リウマチ薬があります。抗炎症薬には2種類あり、非ステロイド薬とステロイド薬に分けられます。抗炎症薬はリウマチの進行を止められないため、抗リウマチ薬とを組み合わせてのみます。
■抗炎症薬
特 徴 | 副作用 | 副作用 |
【非ステロイド薬】 | ||
経口薬・坐剤・外用剤があり、併用することもあります。 | 1)胃潰瘍などの消化管障害 2)高齢者では腎障害 3)出血しやすくなる |
次のような方は十分な注意が必要、または使えない場合があります。 1)胃潰瘍になったことがある 2)腎障害 3)気管支喘息 4)妊娠中 |
【ステロイド薬】 | ||
症状を取る作用は早くて強力です。 | 1)感染症にかかりやすくなる 2)骨粗鬆症(こつそしょうしょう) 3)肥満、高脂血症、動脈硬化 4)白内障・緑内障 |
高齢者、腎障害、妊娠中の方には使いやすいくすりです。 |
■抗リウマチ薬
特 徴 | 副作用 | その他 |
作用の弱いものから強いものまでと、多くの種類があります。効果がでるまで1~3ヵ月間かかります。 | いろいろな副作用があります。気付いたら、くすりをのまないで、すぐに医師に相談してください。 1. 血液障害 2. 間質性肺炎 3. 腎障害 4. 肝障害 |
従来の抗リウマチ薬のみでは効果がみられなかった場合、新しく登場したレミケード®という点滴薬をリウマトレックス®と一緒に使うことで、症状が改善する場合もあります。 |
▼くすり以外の治療法
症状や年齢、職業によってさまざまな治療法があります。原則としてくすりをのむことと組み合わせます。
● リハビリテーション
日常生活や仕事に必要な運動機能を保つことが目的です。メニューはそれぞれの患者さんに合わせてつくられますので、医師をはじめ、看護師、理学療法士、作業療法士の指導に従ってください。
● 手術療法
痛みの原因となる関節の炎症部分を取り除く「滑膜切除術」と、症状がひどく元に戻らない関節を人工のものと入れ替える「人工関節置換術」があります。日常生活に支障が出る場合は、医師と相談して早めに手術を受けることも大切です。