スマホや携帯型ゲーム機が普及して目を酷使する機会が増えたたことで視力の低下を感じる方が増えています。子どもから大人まで関係する「見る力」を守るためにできることとはなんでしょうか。
・近くを長時間見たら時々遠くを見てください
パソコンやスマホなどのモバイル端子、ゲーム機などの見すぎは視力低下の原因です。近くのものを長時間見続けるときは、時々目を休めるのが大切になります。
これはカメラのレンズに相当する水晶体と水晶体を支える毛様体筋に関係しています。水晶体は水とたんぱく質でできており、弾力性を持つ組織です。毛様体筋によって厚みを変え、ピント調整をしています。水晶体は、近いものを見るときは膨らみ、遠くを見るときは薄くなります。
近くのものを長時間見続けていると水晶体が膨らんで元に戻らなくなってしまい、毛様体筋が緊張して、近視が進む原因になります。そのため、目を休めて毛様体筋の緊張をほぐしましょう。時々、遠くを見て目を休めてください。
仕事でパソコン作業をしている方は1時間ごとに5~10分の休憩を取り、遠くの景色を眺めたり、目を閉じるなどして目を休めましょう。
テレビゲームなどが好きなお子さんには、近視にならないようにするために親御さんが注意してあげましょう。時間を制限するか、15~20分やったら少し遠くを見るなど、親御さんが声をかけてあげるといいですね。
・悪い姿勢で近視に! 姿勢を正してください
悪い姿勢で仕事や勉強、ゲームなどをしていませんか?
勉強やゲームなどの物事に集中するあまり、つい対象となるものと距離が近づくと、姿勢が悪くなってしまいがち。毛様体筋が緊張するため近視が進みやすくなります。
昔からよく言われることですが、姿勢を正してテレビを見たり、ゲームをすることが大切です。
理想的なのは、目とパソコンや本などの対象物を40㎝程度あけること。寝転がってテレビを見たり、読書をするのも避けるべきです。斜めから見ることになり、対象物と左右の目との距離感に差が出て、左右の視力が変わり、ものがぼやけて見えてしまいます。
・老眼鏡のススメ
携帯電話の画面を見るときや新聞を読むとき、遠く離して見るしぐさをしていませんか? もしかしたら「老眼」かもしれません。
水晶体は若い時は膨らんだり、薄くなったりして、ピントを合わせる調節力をもっています。しかし、加齢と共に水晶体の弾力性が落ち、ピントが合わせづらくなります。これが老眼です。
残念ながら水晶体の弾力性を維持するためにできることは今のところなく、加齢と共に進む老眼を止めることはできません。
40代から始まる傾向にありますが、元々遠視が強い方は30代前半から出てくる方もいます。近くのものが見えづらくなって不自由を感じ始めたら、我慢せず老眼鏡をかけると良いでしょう。無理してかけないでいると頭痛や肩こりに悩まされることもあります。